KENです。
前回までは、サンジェルマン・デ・プレ地区で買い物をしまくりました。
今回は、サンジェルマン・デ・プレ教会について紹介します。
教会は、サン・ヴァンサンの聖遺物を安置するために建てられました。
聖遺物とは、聖人の骨や灰に着ていた衣装のことです。
サン・ヴァンサンの処刑方法はとんでもないので、食事中には読まない方が良いかもしれません。
ルイ・ヴィトンの目の前にサン・ジェルマン・デ・プレ教会はあります。
サンジェルマン・デ・プレ教会(Église de Saint Germain des Prés)
パリに残っているロマネスク様式の教会の数少ない1つです。
教会の起源は6世紀にさかのぼります。
フランス最古の王朝であるメロヴィング朝の王「クローヴィス」の子シルドベール王がスペイン遠征を行った際、サラゴサで殉教したサン・ヴァンサンの聖遺物を持ち帰り、パリ司教のサン・ジェルマンがこれを収めるために教会を建てました。
サン・ヴァンサン(Vincent of Saragossa)
スペインサラゴサの助祭です。
ディオクレティアヌス帝の時代に殉教した聖人で、ブドウ栽培やブドウ酒作りの守護聖人です。
彼への迫害はすさまじく、
- 鞭で打たれ
- 体を裂かれ
- 鉄の網の上で焼かれ
- 傷に塩をすり込まれ
- 裸で陶片の上に寝かされた
- 遺体は野獣の餌食になるように野原へ放置
結局、巨大な鳥が遺体を守ったそうで、最終的には石臼を付けて海に投げ捨てられました。
今まで出てきた拷問の中でもトップクラス!
サン・ジェルマン(Saint Germain)とコリント式の柱
一方、教会の名前の由来となったサン・ジェルマンさんには特別なエピソードはなく、この教会の鐘楼の下に葬られたそうです。
サン・ジェルマンさんの後ろの数カ所に柱が見えますが、これはコリント式と言います。
コリント式とは、溝が彫られた細身の柱身とアカンサスの葉が象られた装飾的な柱頭のことです。
ただし、このコリント式の柱はレプリカで、本物がクリュニー美術館(Musée de Cluny)にあります。
写真も撮影したので興味がある方は参照ください
フランスその34(パリ編PART11)【クリュニー美術館の様々なタペストリーを見てからお土産を買うよ!】 - お土産大好きKENさんの素人旅行はいかがでしょうか |
教会の天井
内部は、側廊、身廊、側廊の3廊形式となっています。
ざっくり言うと身廊が中央の廊下で、側廊がその左右にある廊下だと思ってください。
それぞれ、石やレンガなどで強固に建造された天井「ヴォールト」が架けられており、ヴォールトにはリブと呼ばれる骨組みのような細い石材が✖印を描いています。
こういうヴォールトをリブヴォールトと言います。
私自身も若干???となったのでもう少しかみ砕くと、縦の半円筒トンネルと横の半円筒トンネルが交差すると交差ヴォールトとなります。
さらにその交差部分をリブで補強するとリブヴォールトになります。
※交差リブヴォールトとも言います。
ただし、年代が進むと単純な半円筒ではなく、さらに線が複雑に入った形の物が出てきます。
リブヴォールトはロマネスク建築というよりは、次のゴシック建築によく見られる建築です。
次回は、この教会に設置してある像で気になった人物について説明します。