KENです。
前回は、イロ・サクレ地区(Îlot Sacré)のスケルトマ(Scheltema)でランチにしました。
今回は、ベルギーで一番有名なマンガであるタンタンの公式ショップ「ブティック・タンタン」でお土産を買って、ついでにタンタンについて紹介します。
冒険物や推理物のマンガ好きな方には特にオススメですよ!
スケルトマから世界最古のアーケードであるギャルリー サン・チュベール(Galerie ROYALES St. Hubert)まで戻って、ギャルリーの南出口まで向かいます。
そこから、グランプラス方面の狭い道へ入るとタンタンの公式ショップがあります。
ブティック・タンタン(La Boutique Tintin)
様々なタンタングッズを販売しています。
しかし、旅行当時は全くタンタンに思い入れがなく、何を買って良いか分かりませんでした。
ただ、グッズを見ていて1つ気づいたことがありました。
この店と先程寄ってきたベルギー漫画センター(Centre belge de la Bande dessinée)で共通して、宇宙服を着たタンタンとスノーウィに赤と白の市松模様をしたロケットの展示やグッズ販売が多かったことです。
宇宙関連の作品が人気作なのではないかと。
漫画センターにあるロケットのオブジェとグッズ
ブティックにも宇宙服のタンタンとスノーウィのフィギュアはありましたが、日本のフィギュアと比べると、作りの割にはちょっとお値段が高いかなと思い買いませんでした。
日本のプラモやフィギュアの造形レベルは世界一なので、この程度では食指が動きません。
フィギュア以外で何かないか探した結果、ショッピングバッグとミニカードを買いました。
オンラインショップによるとミニカードが8.95ユーロです。ショッピングバッグは見当たりませんでした。
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タンタン(TIN TIN)について
ルポライターのタンタンが、愛犬のスノーウィと様々な国をまたにかける冒険活劇です。
といっても、ルポライターとして仕事をしていたのは初めのうちだけで、映画インディジョーンズやシャーロックホームズのような冒険と推理が主な展開となっていきます。
話の中で、
ユニコーン号という船の船長をしていたハドック卿を先祖にもつハドック船長
国際警察インターポール所属のへっぽこ警部デュポン・デュボン(そっくりだが兄弟ではない)
天才発明家ビーカー教授
を友人にして、一緒に事件や謎を解いていきます。
※写真は全て、フランスのシュベルニー城(Château de Cheverny)の展示会ムーランサールの秘密(Les Secrets Des Moulinsart)から持ってきました
作者はエルジェ(Hergé)で、ペンネームです。
人の良さそうなおじさんです。エルジェ横のタンタンの彫刻はベルギー漫画センターにあります。
全24作あって、24作目執筆中の1983年ににエルジェは亡くなりました。
先程の宇宙の話は、第16作「めざすは月(Objectif Lune)」 と第17作「月世界探険(On a marché sur la Lune)」だそうです。
また、2011年にはアメリカ映画の巨匠スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)監督によるCG映画「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密(The Secret of the Unicorn)」が公開されました。
この映画は、次の3作品を合わせたものです。
- 第9作「金のはさみのカニ(Le Crabe aux pinces d’or)」
- 第11作「なぞのユニコーン号(Le Secret de La Licorne)」
- 第12作「レッド・ラッカムの宝(Le Tresor de Rackham le Rouge)」
※オリジナル版と日本語版で出版の順序が違います。私はオリジナル版の順序で紹介しています。
スピルバーグと言えば、私が真っ先に浮かぶのは「ET」と「インディジョーンズシリーズ」です。
タンタンの映画がたまたまPrime Videoで配信していたので見てみましたが、展開がインディジョーンズと似ていました。
陸海空をまたにかけたトレジャーハンター系の映画です。
映画のサウンドトラックも、インディジョーンズやスターウォーズの作曲をしたジョン・ウィリアムズ(John Williams)だったので余計にそう感じました。
調べたところ、スピルバーグ自身「インディジョーンズはタンタンの冒険からインスピレーションを受けた」と明言していたそうです。
なお声優には、007のジェームズボンドで有名なダニエル・クレイグ(Daniel Craig)やミッションインポッシブルでお笑い担当のベンジー役で有名なサイモンペグ(Simon Pegg)が起用されています。
せっかくなので、映画の元になった9,11,12作と月面編の16,17作について簡単に紹介します。
※ネタバレを含むので注意してください
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第9作「金のはさみのカニ(Le Crabe aux pinces d’or)」
タンタンが、とある溺死体を発見した時にそばに落ちていた
その缶詰を運んでいる貨物船「カラブジャン」を調べていくと、カニの缶詰の中は麻薬の一種「阿片(アヘン)」で、麻薬組織の一味がカラブジャン船長ハドックをだましてアヘンを密輸していました。
タンタンはハドックと協力して、船をプロペラ機で脱出しサハラ砂漠に不時着したのち、麻薬組織のボスである商人を捕まえます。
この作品で、メインレギュラーであるハドック船長が初登場するのですが、とにかく汚い言葉を連発します。
下品な言葉はないのですが、多分今テレビで放送とかしようとすると放送コードに引っかかると思います。
第11作「なぞのユニコーン号(Le Secret de La Licorne)」
タンタンが、家の近くの広場で行われている蚤の市で船の模型を買います。
船の名前はユニコーン号。
模型のマスト部分には地図が隠されているのですが、それはハドック船長の先祖であるハドック卿が海賊レッド・ラッカムから手に入れた財宝のありかが書かれている宝の地図だったのです。
しかし、その地図を狙うバード兄弟にタンタンは捕まりムーランサール城に捕らえられてしまいます。
タンタンは、機転を利かしてガラクタだらけの物置から逃げ出すことに成功し、バード兄弟を捕らえることに成功します。
バード兄弟は、ムーランサール城を買い取ったときにたまたまユニコーン号の模型を見つけ宝の地図を手に入れようとしていました。
宝の地図は3枚あり、3枚集めたところでこの本の話が終わります。
余談ですが、全24作のうち1番売れたのがこの作品なので、映画化にこの作品が選ばれたようです。
第12作「レッド・ラッカムの宝(Le Tresor de Rackham le Rouge)」
そこで、ビーカー博士(映画未登場)が作ったサメ型潜水艇サメマリン号でお宝を発掘します。
※潜水艇は英語でサブマリンなので、サメマリンと聞いて爆笑しました。
韻を踏んだネタがあちこちに使われていて、翻訳をした川口恵子氏のセンスに脱帽しました。
ここからは超ネタバレ(映画にも関係してくるので気を付けてください)
沈んだユニコーン号から回収した紙切れによると、第11作なぞのユニコーン号でタンタンが捕らえられたムーランサール城の持ち主が、実はハドック卿だったのです。
ハドック卿はムーランサール城に真の宝を隠していました。
タンタンが逃亡の際に通り抜けたガラクタだらけの物置に実は真の宝があったのです。
まさに木を隠すなら森ってやつです。私はこの展開を予想していましたけどね。
また、ムーランサール城にはモデルになった実在の城があります。
フランスのシュベルニー城で、タンタンの展示があります。
【タンタンの展示の再現度が高かった!】フランスその108(シュベルニー城編PART2) - お土産大好きKENさんの素人旅行はいかがでしょうか |
映画ユニコーン号の秘密(The Secret of the Unicorn)」
上の3作品がミックスした話になっています。
話の冒頭で、自宅近くの蚤の市で船の模型を買うとマストの中にお宝の地図が入っています。
それを狙った悪党サッカリン(=ダニエル・クレイグ)がタンタンをカラブジャン号に幽閉します。
タンタンが船から脱出しようとするところで、ハドック船長と出会い一緒にプロペラ機で脱出し砂漠を渡ります。
実はサッカリンの正体は、かつてハドック船長の祖先ハドック卿が倒した海賊レッド・ラッカムの血を引いた子で、ハドック船長に復讐をしようとしていたのです。
絵本のどの要素が使われていたのかを要約すると、
金のはさみのカニ
- カラブジャン号にいるハドック船長との出会い
- 飛行機での砂漠への脱出部分
- アヘン要素はカット
なぞのユニコーン号
- ほぼ全編が使われている
- レッド・ラッカムの血を引いたサッカリンは映画オリジナル要素
レッド・ラッカムの宝
- 海底に宝を回収しに行く部分は全面カット
- お宝が実はムーランサール城の物置にあるという結末部分
あと、細かいところだと漫画で準レギュラーのカスタフィオーレ夫人が歌でガラスを割るというシーンがありますが、第18作「ビーカー教授事件(L’Affaire Tournesol)」の内容が入っていたり、随所に各作品のエッセンスが散りばめられていました。
第16作「めざすは月(Objectif Lune)」
タンタンが乗っ取り計画対策で自爆ボタンをセットしていたので敵国に盗まれずにすみます。
第17作「月世界探険(On a marché sur la Lune)」
宇宙船開発メンバーの1人がスパイを手引きして、直接宇宙船を乗っ取ろうとします。
2作を通して
- 宇宙船開発メンバーの中にスパイがいて、誰が犯人なんだというサスペンス要素
- 当時まだ宇宙船の技術がそれほどでもなかった時代に緻密な科学要素が入っている
- 科学的な話をぶち壊しにするハドック船長とデュポン・デュボン刑事
子供から大人まで楽しめる内容になっていて面白かったです。
あと、読んでて気づきましたが、タンタンは背後から殴られすぎですw
他の全作品についても解説をしていますので、興味がある方はコチラからどうぞ
ベルギーその32(ブリュッセル編PART18)【結構大人向けな漫画タンタンの冒険】 - お土産大好きKENさんの素人旅行はいかがでしょうか |
次回は、王の家-市立博物館へ向かいます。