フランスその17(ルーアン編PART7)【陶器のバイオリンが珍しい陶磁器博物館】

lion

KENです。

前回は、ジャンヌダルクの涙と呼ばれたあまりおいしくないチョコレートのお土産を買いつつ、ジャンヌダルクの火あぶりの刑についてのウンチクをたれました。

今回は、ルーアン(Rouen)の陶磁器博物館(Musée de la Céramique)を回って帰路につきます。ルーアン編は今回が最終回になります。

アイキャッチ画像は、陶磁器博物館(Musée de la Céramique)にある陶器のライオン?

「お待ちしてましたー」と言っているようで、気に入ったので選んでみました。

ジャンヌダルク教会(Église Sainte-Jeanne-d’Arc)を後にして、ジャンヌダルク通り(Rue Jeanne d’Arc)を駅の方へ戻ります。そして最後の目的地の陶磁器博物館に向かいます。

 

陶磁器博物館(Musée de la Céramique)

1657年に貴族の邸宅として建てられた家を今の博物館に改装しています。

ネオクラシカルスタイル(ギリシャとローマの様式を取り入れたスタイル)の内装と6000点程の陶磁器コレクションが展示されています。

コレクションの3分の2は16-18世紀のルーアン焼が占めています。

陶芸家 Masséot Abaquesneが、1524年から1557年にルーアンの陶芸工場監督者として活動し、ルーアン焼きをデルフト焼やヌベール焼に並ぶ陶器に発展させたとのこと。

デルフト焼、ヌヴェール焼、15世紀のイタリア・マジョルカ焼やセーヴルの展示もあります。

グラウンドフロア(日本の1階)には15-18世紀のマジョルカとMasséot Abaquesneの作品が展示されています。

1,2フロア(2,3階)には、ルーアン焼きの傑作が展示しています。単色の青、光り輝く赤と青の装飾、オーカー色の象眼細工(はめ込み細工)、多色陶器で出来た像と絵やシノワズリー(中国様式)等のものがあります。

他に、デルフト・ヌヴェール・リール・ムスティエ焼きの部屋があり、そのあと2つの部屋は陶器と薄い磁器専用の部屋になっており、最後にセーヴルの展示があります。

次にここで有名な作品を紹介したいと思います。

地図付きのリーフレットが家から出てきたので、部屋番号もいれてあります。

Masséot Abaquesneのタイル作品群

グラウンドフロア(日本の1階)の2番にあります

写真左

左から
Carreaux aux initiales AM du Connétable Anne de Montmorency et de Madeleine de Savoie
Carreaux aux armes du Connétable Anne de Montmorency

真ん中上段
Carreaux aux armes de Madeleine de Savoie, épouse d’Anne de Montmorency

真ん中中段は分かりませんでした

真ん中下段
Carreaux aux initiales AM du connétable Anne de Montmorency et de Madeleine de Savoi

写真右
Carreaux du pavement de la chapelle de la Bastie d’Urfé (Loire)

Buste d’Apollon(アポロンの胸像)セレスとバッカスの像(Cérès et Bacchus)

Cérès et Bacchus

ファーストフロア(日本の2階)の9番にあります・・・セカンドフロアへの階段近く

写真の左の像がアポロンです。四季という作品群の1つで、4つの季節に4つの像がそれぞれあって、その4つの像にこのアポロン像を加えて一つの作品群になっているようです。(理由は分かりませんでした。)

2018/08 追記

左の像がアポロンと書きました。ホームページにもそう書いてあります。

しかし、アポロンとはギリシャ神話に出てくる全知全能の神ゼウスの息子である太陽神アポロンのことで男です。左の像はどうみても女性なので、調べ直しました。

まず、四季は

  1. 『花の冠を頭にのせた草花の女神フローラの春』
  2. 『髪の毛に麦穂を巻きつけた収穫の女神ケレスの夏』
  3. 『ブドウの枝と房を身にまとったブドウ酒の神バッカスの秋』
  4. 『マントに身をくるんだたくましい体つきの老人の冬』

の4つで構成されています。

この4人を支配するという意味で太陽神アポロンを5体目に選んだようです。ですので、タイトルがアポロンの胸像は、全くのウソではないですが間違いだったわけです。

ということで、左が収穫の神ケレス右が葡萄酒の神バッカスの像でした。

加えて、ここにある像はレプリカのようで本物はロンドンのV&A博物館にあるそうです。ただ、どちらもルーアン製なので作りは非常に良い出来になっています。

あと、ルーブル美術館にもこれらの像がありました。2018年夏の旅行で訪れた時に見たので間違いないです。ただ、詳細な情報は載ってなかったです。

1つツッコミたいのが、

ツッコミ担当

冬の老人は、何かの神に例えることはできなかったのか?

Violon(デルフト焼きのバイオリン)・・・激レア!

Violon

ファーストフロア(日本の2階)の9番にあります。

陶器のバイオリンは非常に珍しく世界に7つしか存在しないそうです。まさにドラゴンボールならぬドラゴンバイオリン!

調べてみましたが、どうやらアムステルダム国立美術館に同じく陶器のバイオリンの1つがあるようです。他はどこにあるのか気になってきました・・・。

2018/08追記

フランスのブロワ(Blois)にあるブロワ城の陶器展示室に1つありました!

Violon

Sphère céleste et sphère terrestre(天球と地球)

セカンドフロア(日本の3階)の13番にあります。

星座をあらわした天球部分と世界地図をあらわした地球と2つの面を持った球体です。

これも他では見たことがありません。

★★★

陶磁器博物館は、客が私たちだけだったのでゆっくりと鑑賞が出来ました。ただ、リーフレットやパンフレットが置いてなかったので、どの作品がどの階層にあるかがよく分からず、ブログを書くのにとても苦労しました( ̄▽ ̄;)

家を捜索したら、白いリーフレットがありました。博物館の簡単な紹介と各階層の地図と有名な作品が載っています。(英語)

地図はなくてもこじんまりとしたところなので、少なくとも迷うことはありません。

特にバイオリンと天球は、他では見たことがないので陶磁器博物館へお越しの際は必ずチェックしてみてください!

ルーアンの感想

陶磁器博物館で時間がかかったため、モネのルーアン大聖堂の絵があるルーアン美術館(Musée des beaux-arts de Rouen)に行きそびれたことと、ジャンヌダルクについて勉強不足だったためにルーアン大聖堂にあるジャンヌダルクのステンドグラスを後から知ったのは少し残念でした。

ルーアン陶器は安くはなかったですが、一つ一つがハンドメイドでデザインもよかったのでとても気に入りました。

陶器の絵付け見学を行っている店もあるようなので、次に行くことがあれば是非参加したいです。

最後に、ルーアンを回るツアーがないか調べてみました。

光のルーアン ~ルーアン大聖堂 プロジェクションマッピング観賞プライベートツアー<6月~9月/パリ発着> by [みゅう]

VELTRA
 

VELTRAさんは、多数のオプショナルツアーを販売しており、現地で申し込むのとほとんど料金が変わらないリーズナブルさのため私もよく利用しています。

夜のツアーなので、お店や教会内を回ることが出来ませんが夏季は夜でも明るいので街の雰囲気はつかむことが出来ると思います。

料金が少し高いのが難点ですが、プロジェクションマッピングを見ようとするとルーアンに宿泊しなければならなくなるので夜時間の都合が合うのであればこれはこれでアリかもしれません。

最後に、

ツッコミ担当

陶器のバイオリンについて情報を持っている方がいたら是非ご一報ください!