フランスその44(パリ編PART21)【セルバンドーニだけ覚えればOKだよサン・シュルピス教会】

Église Saint-Sulpice

KENです。

前回は、サン・シュルピス通りにかつてあったお店の数々を紹介しました。

今回は、サン・シュルピス教会の簡単な歴史を説明します。

アイキャッチ画像は、4人の枢機卿の噴水とサン・シュルピス教会

斜めの構図で撮るのが好きなんです📷

サン・シュルピス教会(Église Saint-Sulpice)

教会の名前は、フランスのブールジュ(Bourges)大司教シュルピス・ル・ピュー(Sulpice le Pieux)に由来しています。

彼に関しては情報が少ないのですが、貧困の救済に人生を捧げた聖人のようです。

聖人といえば、

  • 斬首されたり
  • 投石されたり
  • 車輪にひかれたり
  • 火あぶりにされたり

といったようなえげつないエピソードがあったりするのですが、シュルピス司教にはなさそうです。

エグイ担当

酷いエピソードがあると、聖人の名前が覚えやすいんですけどね

ただ、地道な努力や行動によってこれまでの歴史って作られてきたのだと私は思っているので、たまには現実的な話も良いと思います。

この教会は、その35で紹介したパンテオン(Panthéon)よりもさらに紆余曲折あって、完成するのになんと200年を要しました。※パンテオンは50年ほどです

元々は小さな教会でしたが、サンジェルマン・デ・プレ地区の市町村が拡大していく中で、教会も大きくしようということになったのですが、これが大きな難題となります。

建築の歴史

1646年にクリストフ・ジェマール(Christophe Gamard)が作業を始めるが1649年に亡くなり、おまけにフロンドの乱で作業中断

ダニエル・ギッタール (Daniel Gittard)が1660年に礼拝堂を建てました。 しかし、資金不足のために作業が中断になります。

1719年ジル・マリー・オッペノール(Gilles-Marie Oppenord)が摂政オルレアン公フィリップ2世(Philippe II)から宝くじ収益を貰う権利を得て、1736年に本殿を完成させます

セルバンドーニが今の教会の原型を設計し、2つの尖塔はロンドンにあるセント・ポール大聖堂をイメージしている

2つの写真を見比べてみてください。

ツッコミ担当

あまり似てない気がする・・・

結局は、セルバンドーニも完成を見ずして亡くなってしまいます。

このあとも2つの尖塔のデザインや欠陥に加えて、火災や落雷等が発生して建築に時間がかかってしまったため、結局完成したのは1870年

サン・シュルピス教会は新古典主義の先駆けとなっており、ドリス式(シンプルな柱)とイオニア式(柱頭部分にうずまき飾りのある柱)の独立した円柱を構成するバロック的表現になっています。

後に同じく新古典主義の建築として

  • パンテオン
  • ベルサイユ宮殿敷地内にあるマリーアントワネットの離宮

があります。

次回は教会内部にあるドラクロワの絵を中心に説明します。