【シャルル7世に仕えたジャック・クールCEOの宮殿へ向かいます】フランスその101(ブールジュ編PART2)

Jacques Cœur

KENです。

前回は、ブールジュに到着してフォレスティーヌ(Maison Des Forestines)でちょっとお高めだけどおいしいキャンディを購入しました。

今回は、ジャンヌダルクを裏切ったシャルル7世と関係したジャック・クールとその宮殿を紹介します。

アイキャッチ画像の左の像がジャック・クールで右側の大きい建物が宮殿になります。

フォレスティーヌ(Maison des Forestines)の臨時店舗から1度来た道を戻って、工事中のフォレスティーヌ本店まで戻ります。

そこから、ジャック・クール通り(Rue Jacques Cœur)を西へ進んでいきます。

進んでいくと看板と小さな入口がありますのでそこに入ります。

ジャック・クールの宮殿(Le Palais Jacques Coeur)

Le Palais Jacques Coeur

入口が小さく気を付けないと通り過ぎる可能性がありますので注意してください。

入口の左右には面白い石像があるのでそれもアップします。

左のターバンの人物がこの宮殿のオリジナルの所有者であるジャック・クール(Jacques Coeur)で右の人物が妻のレオドゥパール(Macée de Léodepart)です。

このジャック・クールですが中々面白い人物なのでざっくりとした紹介をします。

ジャック・クール(Jacques Coeur)1395-1456

職業が多彩で

  • 商人(Marchand)
  • 交渉人(Négociant)
  • 銀行家(Banquier)
  • 船主(Armateur)
  • 宮廷御用商人(Grand argentier du roi)
  • 鉱山経営者 (Maître des mines)
  • etc

先ほどまで訪ねていたオルレアン(Orléans)でジャンヌダルクが活躍したのが1429年なのでほぼ同時期に活躍した人物です。

最も中心的な事業は東地中海との貿易で、この宮殿の入口には東方風のヤシやナツメヤシの装飾があります。

パンパイィ銀山の経営をしていた時代は、排水用水平坑道・木道やトロッコなど当時の先進技術導入に貢献したそうです。ただし、ほとんど儲けは出ず帳簿の類を一切作らなかったそうです…。

フランス国王シャルル7世がイングランド軍に追われてブールジュに本拠地を移してきたという幸運に恵まれて、シャルル7世の宮廷に仕えることになります。この頃国王代官の娘ドゥパールと結婚をします。

ただ、1429年オルレアン解放戦の起きた年に安物の銀貨を作って差額を着服した罪で告発されるのですが、シャルル7世の恩赦により罰金だけですみました。

どうやら、同年に活躍したジャンヌダルクをモチーフにした銀貨を作っていたので、その人気にあやかって、罪をうやむやにしたそうです。

その後はますますシャルル7世と密接な関係を築き、貴族になり、国王代理人、国王顧問官、国王の外交使節としてエジプトやローマにも出向いたそうです。

で、シャルル7世の愛妾アニェス・ソレルの信頼を得てその遺言執行者になります。

しかし、このアニェス・ソレルが20代で若くして死亡してしまいます。

アニェス・ソレル暗殺疑惑やジャック・クールを妬んでいた人物等の罠にはまってジャック・クールは裁判にかけられ有罪となってしまいます。どうやらこの時もシャルル7世は、ジャンヌダルクと同様に助け舟を出しませんでした。

その後脱獄して亡命し亡命先で亡くなります。

★★★

商人で船乗りで経営者というと、今で言うAmazonのジェフ・ベゾス(Jeffrey Preston Bezos)CEOてところでしょうか。

経営者かつ個人でロケット開発もしている人物なのでちょっとこじつけてみました。通販事業はほとんど儲けが出ておらず、AWS(アマゾンウェブサービス)が稼ぎ頭だということは調べて初めて知りました。赤字経営の商売がある点もジャック・クールとちょっと似ていますし。

ですので、私はジャック・クールCEOとこれから呼ばせていただきます。

ジャック・クールの紋章

Blason Jacques Coeur

ホタテ貝(Jacques)とハート(Coeur)の紋章・・・名前そのまんまで分かりやすい!!

貝やハートを持ったジャック・クール像が宮殿内のあちこちにいるので、それに注目して見学するのも良いと思います。隠れミッキー的な

ということで、ジャック・クールの紹介も終えたので早速宮殿内に入ります。

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チケットオフィス兼お土産屋へ

地下墓地であるクリプトも別料金で入れたようですが時間もないし思い入れもないのでパスしました。

チケットを購入して早速中庭に出ます。

Cour

商人の館にしてはこれから回る古城とと遜色がありません。

写真真ん中の螺旋階段は有名なシャンボール城やこれから行くブロワ城を思い出させます。

ということで、見学コースはこの螺旋階段の入口から入ることになります。

Entrance

先程説明した東方風のヤシやナツメヤシの装飾が施されています。確かに内装に西洋と東洋が入り混じっていて中々面白い作りになっています。

中の広さはまずますです。部屋の中には学生さん?に貸しているのかあちこち機材が設置されているところもありそれほど展示されているものもないので気になった部屋やモノだけいくつか紹介します。

 

ということで、見る部屋はそれほどないのだけれどいくつか紹介します。数字は見学の順番です。

ジャック・クールをモチーフにした像の数々

10.屋根部屋(The roof space)

The roof space

なんだか、船っぽいですよね。元々はいくつかの部屋に分けられており、貯蔵庫や暖炉・従者の部屋として使われていたそうです。ちなみに今は石像の首の貯蔵庫になっていますけどね(コエー)

12.会議の間(The council chamber)

The council chamber

ここはイマイチよく分からなかったのですが、暖炉と煙突があること。扉には紋章やフランスの歴史に登場する人物の逸話が描かれているとのこと。

私的にはこの隠し扉?のような仕組みが気になっただけです。てっきり金庫や宝物庫的なところだと思っていたのですが、宝物庫は隣にあるのでよく分かりませんでした。

13.ガレー船の間(The galleass chamber)

元々はジャック・クールの寝室だったそうです。ステンドグラスの方は、ジャック・クールの生涯を描いた6枚のうちの1枚だそうです。模型はフランスのガレー船

商人として活躍していた時に利用した船です。没収時には6ないし7隻のガレー船を所有していたそうです。

16.礼拝堂(Chapelle)

Chapelle

Chapelle

単純に部屋だけで言えば一番の見所はここだと思います。

先程鑑賞したガレー船のステンドグラスが売っていたので迷うことなく購入(25EURO)。ハンドメイドとおっしゃっていました。

The galleass chamber Vitrail

買い物も終えて目的は達したのですが、一つ気がかりがありました。

Wikipediaには大きなジャック・クール立像が載っているのですが屋敷内には見当たりません。

よく見ると像の前にこの屋敷があるようなので、外を出て良く見ると、来た方向からさらに奥の場所に像が立っていました。

Jacques Coeur

ここで記念撮影をして屋敷をあとにします。

感想

今回画像をアップしたところ以外にも随所にジャック・クールがいました。隠れミッキーどころか隠す気ないです。ジャック・クールCEOはかなり自分のことが好きだったのではないかと思われます。

 

次回はブールジュ最大の見所であるブールジュ大聖堂へ向かいます。