KENです。
前回は、ブールジュ大聖堂(Cathédrale Saint-Étienne de Bourges)の外観を説明しました。
今回は、大聖堂内部にあるステンドグラスを紹介します。
アイキャッチ画像の□で囲ったところが他の教会などでは見かけないステンドグラスです。
それだけ見たい方は、目次の5を選択してください。
内部のステンドグラスに番号を振ったものを自作しました。
ブールジュ大聖堂内ステンドグラスMAP
多すぎる!
有名なものと重要なものだけ解説します。(暇があれば順次追加していくかもしれません。)
ステンドグラス特集
0.聖母被昇天(Assumption),1.受胎告知(Annunciation),2.マギ【東方三博士】の礼拝(Adoration of the Magi)とエジプトの逃避(Flight into Egypt)
0.聖母被昇天(Assumption)・・・写真中央上
聖母マリアが、天使達に支えられて天に昇ること。
キリストは自分の力で天に行くので「昇天」。
聖母マリアは天使の力を借りるので「被昇天」。
同じようでちょっと違います。
普通の人間は、最後の審判で天国か地獄へ行くのかが決まるのですが、キリストとマリアは特別扱いです。
1.受胎告知(Annunciation)・・・写真左下
3月25日に大天使ガブリエルが聖母マリアに「キリストを身籠りました」と知らせる場面です。
その9か月後の12月25日クリスマスがキリストの誕生日なのは皆さんもご存じだと思います。
ガブリエルはユリの花を持っていることが多いです。このステンドグラス持ってないですけど…
これをアトリビュート(持物)といって、あいつは~を持っているから誰々だ! が一発で分かるようになっています。
先程出て来た大天使ミカエルのアトリビュートは剣、ドラゴンを突き刺すときの槍、善悪を量る天秤て多いですけどね。
2.マギ【東方三博士】の礼拝(Adoration of the Magi)とエジプトの逃避(Flight into Egypt)・・・写真右
三博士とはメルキオール、バルタザール、ガスパールのこと。エヴァンゲリオンに出てくるコンピューターとしても有名です。
三人はユダヤの救世主(=キリスト)が生まれたことを星のお告げで聞き、ベツレヘムという場所で見事対面します。
3.新約聖書(New Testament=New Alliance?)
写真の下から、キリストの磔運び(Carrying the cross)・磔刑(Crucifixion)・復活(Resurrection)。さすがに解説は不要だと思います。
4.最後の審判(The Last Judgement)
最後の審判とは、世界の歴史の最後という意味です。
この日を過ぎると人類をはじめ、大地や海など地球が存在しなくなります。
と同時に全く罪のない神の国である天井のエルサレムが完成し、審判によって天国行きが決定したものだけが永遠の命を与えられ生き続けるというものです。
一番上で手を広げているのがキリストで、その下で天秤で善悪を量っているのが大天使ミカエルとそれを邪魔する悪魔です。
キリストから見て、右手側は天国行きで左手側は地獄行きです。羊=善で山羊(ヤギ)=悪で表している場合もあります。
ちなみに、ブールジュ大聖堂の入口の扉(ポルターユ)にも最後の審判はあります。
天秤に影が出来ている!立体感が出ていて面白いです
ちなみにパリのノートルダム大聖堂のポルターユにも最後の審判がありますので訪問の際は見てみるのも良いと思います。
5.放蕩息子(Prodigal Son)
ある兄弟がいました。弟は父の遺産を貰ったあと家を出て、その遺産を使い果たして家に出戻りをします。一方、兄は倹約につとめていました。
父は無駄遣いをしたあげく出戻ってきた弟を大歓迎したので、兄は「不公平だろ!」と文句をつけるのですが、父は「弟は反省しているから許してあげな」と言うシーンです。
悪事も悔い改めさえすれば許してあげようじゃないかというお話。
それでいいのか!?
こーゆー弟みたいな奴て甘えてまた財産食い尽くすと思うのですが…
6.キリストの受難(Passion)
キリストがゴルゴダの丘で十字架に磔にされた時の苦しみと死のこと
ただ、最後の晩餐や拷問にキリスト復活など磔の前後のシーンも含まれていることがあります
7.聖マルタンの生涯(St Martin)
卓越した霊的能力を持ったトゥール(Tours)の主教で、このステンドグラスはマルタンが若きローマ人の兵士だった頃に、自らのマントを切り裂いて乞食に与えた場面になります。
その晩、マルタンは乞食に与えたマントをまとったキリストの夢をみたことをきっかけにキリスト教に入信し、やがて司教になりました。
その後、人にとりついた悪霊を取り除くといったエクソシスト的な奇跡を起こしたそうです。
あさってにトゥールには行く予定なのでさらにマルタンについては特集する予定です。
また、英語読みだとマーティンですが、聖マーティン教会という世界遺産の教会がイギリスのカンタベリーという街にあります。2017年に訪れたのでコチラの記事も参考にしてください。
8.聖ローランの伝説
9.聖ぺテロと聖パウロの伝説
二人でセットであることが多い。聖パウロは元はキリストを迫害する側でしたが、天からの光によって眼を見えなくなってしまいます。
そこにイエスの弟子が来てパウロの眼を治します。この時パウロの眼からウロコが落ちたと言われています。
これがいわゆる「目からウロコ」の由来です。
聖ぺテロは、キリストの12使徒の第1番目の使徒です。足を触られすぎて剥げているのをよく見かけます。
聖ぺテロのアトリビュートは逆さ十字架と天国と地獄を表した鍵で、聖パウロは剣と本(巻物)
10.聖エティエンヌの生涯
この教会の名前にもなってる人なので超重要なのですが、どれかよく分かりませんでした…
11.聖ドニの生涯
Who are you?
パリの大司教聖ドニとは違うようです。
12.聖ヴァンサンの生涯
Who are you?
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13.善きサマリア人(The Good Samaritan)
強盗に襲われ重傷をおったユダヤの旅人を祭司やレビ人が助けずスルーします。
ところが敵であるサマリア人が旅人に手当てをして宿まで連れて行き宿代も出してあげるという美談です。
私は疑い深い性格なので、裏があるなと思ったら、実は旅人は罪人、祭司とレビ人はユダヤ教、サマリア人はイエスで宿が教会の例えだったのです。
「隣人を愛せよ」の例えばなしだそうです。
14.黙示録
隠れたものを暴く=神の心を示す啓示
ヨハネが天使に連れられて目撃したことを書いたとされる
7人の天使がラッパを吹くと様々な災いが起きる
詳しくは明日の朝刊のチラシにてじゃなくて、あさってアンジェ城にある世界最大最古の連作タペストリー「黙示録」を見に行きますので、そこで解説します。
興味がある方はコチラからどうぞ
15.聖エティエンヌの聖遺物の発見
16聖トマスの生涯
17マグダラのマリアの生涯
18洗礼者ヨハネの生涯
19聖ニコラの生涯
20福音書記者ヨハネの生涯
21.エジプトのマリアの生涯(Mary of Egypt)
何だかよく分かりにくいですが、実はこの大聖堂の最大の見所だったりします。
まず、エジプトのマリアは娼婦でしたが、悔い改めて砂漠で40年以上懺悔の日々を送りました。
痩せ衰えて長い髪が全身を隠し、ボロボロの衣を見にまとった様子で描かれることが多い…
らしいのですが、ステンドグラスはボロボロの衣類じゃないし船も関係ないので調べてみました。
どうやら、30歳になるころアレクサンドリアからエルサレムに向かう一群の人々と共に船に乗っている場面のようです。
この時点ではまだ悔い改めていません。
といったようにこの話自体初めて知りましたし、ステンドグラスで初めて見ました。
ブールジュ訪問の際は必ず観賞することをオススメします。
22.ヤコブ(大)の生涯
23.ラザロと悪い金持ち
例えばなしのひとつ
ある金持ちがいた。贅沢な暮らしをしていた。家の外にはホームレスが残飯を漁っていた。
ホームレスが死に、金持ちも死ぬのだが死後の世界では立場が逆転してホームレスはイスラエル民族の祖アブラハムのところへ運ばれ、金持ちは地獄の炎の中で無限の苦しみを与えられたというお話
オーこわっ
24大司教ヨセフ?
25受胎告知
29マギの礼拝
31パリの聖ドニの生涯
30聖シモン、聖カトリーヌ、st.hillaire st.milltaire
37福音書記者(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)
39聖母被昇天
44聖母被昇天を目撃する使徒たち
46.聖エティエンヌと聖ラウレンティウスの殉教(St Étienne & St Lawrence)
見ての通り一番分かりやすい!
上段の4枚は、聖エティエンヌが石打の刑でフルボッコにされて殉教したシーンです。
下段の4枚は、聖ラウレンティウスが貧しい者たちへ教会の財産を分け与えたせいで、教会に逮捕され焼き網で殉教したシーンです。
聖人てエグイ死に方をすることが多いです。
感想など
エジプトのマリアは今回初めて知りました。私は宗教や聖書にそこまで関心があるわけではないのですが、やはり教会を回るにはある程度の知識がないとダメだなと思い今回はかなりリサーチをしてから訪ねました。
おかげでステンドグラスの意味がほぼほぼ分かるようになってきました。今回の記事が私のブログで最大の文字数になりました📖
教会のステンドグラスは共通のテーマのものも多いので、ちょっと内容を知っていれば一緒に来ている友人や家族に自慢ができますよ(  ̄▽ ̄)
この知識が増えた状態でシャルトルブルーと呼ばれたステンドグラスで有名なシャルトル大聖堂などを再び訪れたいなと感じています。
次回は、お土産タイムに入り近くのレストランに行きます?