KENです。
前回は、このハゲーではなかったザビエルについて紹介しました。
今回は、さらにサンジェルマン・デ・プレ教会に展示されている聖人を特集します。
今回は、宗教色の強い話となっています。
出来る限り分かりやすく書いてはいますが、興味のない方は最後のマルガリータの記事だけでも読んでいただけると幸いです。
聖ぺテロ(Peter)
いわゆる十二使徒の中の第1の使徒であり十二使徒の代表者です。
ぺテロは岩という意味で、イエスに名付けられました。
「教会の確固たる基礎となる岩」であれと付けられたそうです。
そして、天国の鍵を授けられます。
この鍵は、イエスの教えを継ぐ者を意味しローマに最初のキリスト教団を設立します。
この人の特徴として、このハゲーと縮れた短いヒゲをはやし、手にはそれぞれ逆さ十字と金と銀の鍵を持っているのが特徴です。
金と銀の鍵は天国と地獄の象徴とのこと。
「最後の晩餐」の後に、ぺテロはイエスに
あなたは鶏が鳴く前に、三度私を知らないと言うだろう
と予言されてしまいます。
実際にそのとおりになったことに気づいたぺテロは泣き出してしまいます。
とんだ手のひら返しですよね。
最後は、皇帝ネロの迫害により磔の刑で殉教してしまいます。
その際、イエスと同じ格好で十字架にかけられるのですが、私にイエスと同じ価値はないと頭を下にして上下逆さではりつけにされるよう嘆願したそうです。
皇帝ネロ(Nero)
ペテロを処刑した皇帝ネロがまたトンデモナイ人物で、不倫相手とくっつくために正妻に不倫疑惑をかけて殺したり、実の母親を殺したりします。
これ、イギリスの青髭公ヘンリー8世と同じだ。詳しくはコチラ。
64年7月13日にローマで大火災があり、ネロに疑惑がかけられます。
ネロは、疑惑をそらすために、キリスト教徒達に放火罪の嫌疑をかけて処刑してしまいます。
これが皇帝ネロの迫害です。
キリスト教徒の中には、十二使徒のペテロやパウロも含まれており、
あるものは獣の皮をかぶらされた状態で犬をけしかけられて噛み殺されたり
全身にタールを塗られて柱にくくりつけられて夜に灯台代わりに燃やされたり
とかなり残酷な方法で処刑を行っていました。
ネロは、ローマを世界一の歓楽地にするために淫らなパーティを毎晩開きます。
このことで、財政を悪化させ民衆の不満が高まり、エジプトへ逃亡しようとするがそれも無理と悟り、最後は自決しました。
聖マルガリタ(Margaret of Antioch)
伝説上の童貞殉教聖女です。
異教徒の僧の娘だったが、キリスト教に改宗。
アンティオキア長官の求婚を拒否したため拷問後に投獄。
すると、悪魔が竜となって監獄に現れ、彼女を飲み込んでしまいます。
しかし、マルガリタは手に持った十字架で竜の腹を裂いて出て来ます。
この竜の腹から出たマルガリタのエピソード=妊婦が無事出産出来るということになり、マルガリタは出産の守護聖人となりました。
十字架を持って、竜を踏みつけている像が多いということで、まさに教会の像はそうなっています。
竜を踏みつけるといえば、大天使ミカエルも悪魔が変身した竜を踏みつけて槍で刺していました。
大天使ミカエルについてはコチラを参照ください。
大天使ミカエルとマルガリタと言えば共通点があって、ジャンヌダルクはこの2人からお告げを聞いて村を出ることで有名です。
フランス語で、マルガリタはマルグリットです。
また、この人の絵画は赤ずきんちゃんのような格好をしています。
腹を破るエピソードといい、赤ずきんちゃんの元になっているのではないかという気がしています。
ピザのマルゲリータ(Margherita)
マルゲリータゆうたらピザやろと思いついでに調べました。
マルゲリータは、イタリア王妃マルゲリータ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァに由来します。
「バジリコの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤がイタリアの国旗を表しているようだ」と気に入って自分の名前をつけたそうです。
これって、私の好きなスイーツであるタルト・トロペジェンヌと似たシチュエーションです。
トロペジェンヌは、女優ブリジット・バルドーが名前のないパンに「タルト・トロペジェンヌという名前はどう?」と聞いたら即採用になりました。詳しくはコチラ
ということで、聖人のマルゲリータとは直接関係ないですけど、名前の由来はここから来ている可能性があります。
ちなみに、ピザの写真は南仏ニースへ行った時に寄ったメレンダ(La Merenda)のマルゲリータ。
小ぶりサイズで温かいうちに食べられるのがグッジョブなピザでした。
大きいピザだと食べてる途中で冷めてしまいますしね。
PS
ローマでおいしいピザ食べたことがないので誰か教えてください!
次回は、以前訪れた奇跡のメダイユ教会へ向かいます。