フランスその63(パリ編PART40)【ギロチン待合室と呼ばれたコンシェルジュリー】

Conciergerie

KENです。

前回は、サント・シャペルでステンドグラスを観賞しつつ茨の冠特集をしました。

今回は、裁判所を挟んでお隣のコンシェルジュリーを紹介します。

入り口はセーヌ側沿いの大時計通り(Quai de l’Horloge)になります。

アイキャッチ画像は、その大時計通りが見えるところから撮ったもの

写真のちょうど木で隠れてしまっている裏側にパリ市街時計の第1号であるらしいです。

今回の旅行は、サント・シャペルからノートルダム大聖堂へ向かったのですが、ついでなのでお隣のコンシェルジュリーを紹介します。

コンシェルジュリー(Conciergerie)

まず、サントシャペル同様ミュージアムパスが使えます。

サントシャペルとのセット券も販売しているので、サントシャペルとセットで回るのも良いかもしれませんが、見所もそれほど多くないのであとは個人の好みです。

ミュージアムパスについてはコチラをどうぞ

 

そもそもコンシェルジュリーとは

コンシェルジュリーに訪れた当時、処刑やら裁判やらあまり興味がなく、写真もほとんど撮ってなかったので、歴史とマリーアントワネットについて簡単に説明します。

コンシェルジュリーというかコンシェルジュは日本人にも馴染み深い言葉なはずです。

DOCOMOのしゃべってコンシェルとかありますし。日本だと執事のヒツジの印象が強いです。

ホテルの宿泊客案内係のことをコンシェルジュと呼んだりしますが、元の意味は門番や管理人を意味します。

かつて、ここにはシテ王宮が存在し、王宮とお隣のサントシャペルの中庭を繋ぐ橋があったらしいです。

司法機能が拡大するにつれて、王宮自体が最高裁判所になってしまいます。

サントシャペルとコンシェルジュリーの間には、今も最高裁判所がありますしね。

王がこの王宮を去るときに、王宮(裁判所)をコンシェルジュに託します。

ですので、コンシェルジュにはかなりの権限が与えられました。

つまり、コンシェルジュリーとは

コンシェルジュの館+裁判に付随する刑務所の両方の意味を持っています。

その後、近くにあったシャトレー刑務所が満杯になったので、コンシェルジュリーの刑務所的な役割が拡大します。

ここで、裁判を受けた囚人はノートルダム大聖堂で懺悔をしたあとに、グレーブ広場(現 市庁舎前広場Hôtel de Ville)で処刑されました。

Googleマップでルートを見るとしっくりくると思います。

ただ、ここで気になったのが1つ。

ツッコミ担当

マリーアントワネットとか有名人がギロチン処刑されたのって「コンコルド広場」じゃないの?

距離的にもコンシェルジュリーからコンコルド広場よりもグレーブ広場の方が近いですし・・・

その理由は、ギロチンの移動の歴史が関わってきます。

ギロチン移動の歴史

元々ギロチンはグレーブ広場にあったのですが、チュイルリー宮殿前広場に移されます。

※現在チュイルリー宮殿はなくチュイルリー庭園だけ残っています。

その後、マリー・アントワネットの夫であるルイ16世処刑のために特別にギロチンはコンコルド広場(当時の名前は革命広場)に移されました。

1793年1月23日、ルイ16世はギロチンにかけられます。

その後、チュイルリー宮殿前に戻されますが「やっぱコンコルドでいんじゃね?」ということでコンコルド広場が処刑のメイン会場になったわけです。

市庁舎前広場もコンコルド広場も名前が変わったは黒歴史の隠蔽だと思います。

幽閉されたマリーアントワネット

Marie Antoinette

再現部屋になります。

実際幽閉された部屋は今は贖罪の部屋になってるそうですが、見た記憶がないし写真もない…。

マリーアントワネットはネタが多い人物なので、コンシェルジュリーと関係したポイントだけ紹介します。

捕まる前の国外逃亡未遂がお粗末すぎ

豪華な馬車で目立つうえに途中休憩を入れるのんきさでした。

独房生活は割と普通

セーヌ川のせいで湿気が多くてジメジメしていた。外には出れなかった。所長の計らいで面会は簡単にできた。

脱走未遂事件(カーネーション事件)発生

面会が簡単に出来たゆえに、脱走を手引きしてくれる人も面会に来ていた。

牢屋の見張りの一人を味方につけたのだが、あと一歩のところで見張りが怖くなって告げ口してしまった。

裁判では弁護士並みの頭の良さを発揮

裁判では国外逃亡、脱獄未遂などについて言葉巧みに追及をかわした。

しかし、これまでの浪費生活による財政のひっぱくや逃亡未遂による敵国のスパイ容疑など、革命派にとって格好の標的だったので、弁解をする余地もないまま処刑判決が下る

★★★

最近ではデジタル端末を使ったAR(拡張現実)で当時を再現した映像が見られるようです。ポケモンGOならぬ死刑へGOかな。不謹慎でスミマセン🙇

また、マリー・アントワネットやギロチンの処刑に興味を持った方は、「ベルサイユのばら」を読んだ方がより分かりやすいです。

私も2018年に初めて読みましたが、歴史物・恋愛物としてとても読みごたえがありました。

読んだ時の感想も書いてみました。

 

 

次回は、ついでなのでコンコルド広場とギロチンについて紹介します。