ベルサイユのばらを読んでみた!後編

Le Hameau

ということで、後編は愛蔵版2巻収録の6~10章の感想を書きます。

アイキャッチ画像は、マリー・アントワネットが愛した村アモーです。

私はベルサイユ宮殿よりこっちの方が好きです。宮殿は人がごった返していますが、こちらはそれほどでもなく、時間がゆっくり流れているので喧騒を忘れさせてくれるからです。

ただし、宮殿から離れており中を走るバスのプチトランの終電がかなり早い時間なので、訪問の際はお気を付けを

※全体的にまとまりがないので後日修正します

第6章

ジェローデルとの婚約破棄、アンドレの目が見えなくなってくる、アントワネットの長男が当時の不治の病である脊椎カリエスで弱ってくる、3部会開催が決定する。

ジャンジャックルソーのヌーベル・エロイーズという作品がオスカルとアンドレ、アントワネットとフェルゼンの関係性に似ている

当時の小説などまでは本には載っていなかったので良い勉強になりました。

 

第7章

部下のアランの娘が自殺、ベルサイユでの3部会開催でロベスピエール推しがスゴイ、貴族が平民の代表を議会に入れないようにすることに衛兵の不満が高まる、ロベスピエールらがベルサイユ宮殿近くの球戯場でテニスコートの誓いを宣言する、オスカルの部下アランもオスカルに惚れる、オスカルが血を吐き病気っぽい描写が出てくる

 

この誓いが宣言された球戯場は今はフランス革命博物館となっていて入場は無料だそうです。

オスカルは、アンドレ、アラン、ジェローデル等男性の恋人候補がいっぱいですね。この辺は誰とくっつけるかは今後の人気や展開次第って感じにしようって雰囲気が伝わってきます。週刊連載だと様子を見て決めることができますからねと。

あと、オスカルが酒場で暴れたり、酒豪だという設定はこのためにあったのかと感心しました。

第8章

ここからは、怒涛の展開でした。オスカルとアンドレがついに結ばれる。チュイルリー宮広場にいるパリ市民に攻撃命令が出るが、ついにオスカルの軍はパリ市民の側に寝返る。アンドレがオスカルをかばって死亡!

バスティーユ牢獄襲撃の際にオスカルも死亡。

第9章

話は再び、マリー・アントワネットの話に戻ります。ここからはほぼ史実通りに動いていきます。

バスティーユ陥落後マリーアントワネット達はチュイルリー宮殿に軟禁

今まで以上に家族を大切にし息子には王位継承者にふさわしい子供に育てようと努力する

ちゃっかりフェルゼンとはイチャイチャする

目立つ豪華な馬車に様々な不運とジャン・ドルーエのカンで国外逃亡が未遂に終わってしまう

チュイルリー宮殿からタンプル塔に移される

ルイ16世がコンコルド広場(当時の革命広場)でギロチンの刑にあう

マリー・アントワネットがコンシェルジュリーに移される。

オスカルの父であるジャルジェ将軍が脱走の手引きしてくれるがアントワネットが拒否する

裁判では弁護士並みの頭の良さを発揮したものの、これまでの浪費生活による財政のひっぱくや逃亡未遂による敵国のスパイ容疑など、革命派にとって格好の標的だったので、弁解をする余地もないまま処刑判決が下り、夫のルイ16世と同じくコンコルド広場でギロチンにかけられる。

史実とベルばらで一点だけ大きく違っていたことがあります。

それはコンシェルジュリーで脱走未遂事件(カーネーション事件)が発生した点です。

ジャルジェ将軍は架空の人物ですが、実際脱走を手引きしてくれる人も面会に来ており、牢屋の見張りの一人を味方につけたのだが、あと一歩のところで見張りが怖くなって告げ口してしまい未遂に終わってしまいました。

裁判ではこのカーネーション事件にも追及されたそうです。恐らく連載の都合でカットされたのだと思います。

感想

歴史ものとしてもマンガとしても中々よく出来ていたと思います。正直男性にはこの手のマンガを描くのは難しいかなって思います。

女性の男性への憧れ・嫉妬や愛など様々な感情がうねりをあげていった感じがしました。

オスカルとアンドレがあっさり死ぬのには驚きました。最後のアントワネットの処刑までの流れがもの凄く史実通りに進んだのでびっくりしました。

 

最後にフェルゼンが殺されてしまったところで幕が降りて終わり方として悪くなかったのですが、物足りない点もありました。前編と同じように歴史のお話として少し欠けてしまっている部分があることです。

前編では太陽王ルイ14世やポンパドゥール夫人がでてこなかったことについて言及しました。後編は、その後の話がやはり足りないかなと。

特にロベスピエールについてがそう感じました。マンガ内では民衆のカリスマとして扱われて3部会以降では超重要人物として扱われていました。

ロベスピエールって気に食わない奴は全てギロチン、雑誌で批判されただけで記者をギロチンにかけて、最後はロベスピエール自らがギロチンにかけられてしまったという中々の人物です。

調べたところ、オスカル死亡から10週でマンガを完結させるお達しが出ていたので色々端折っていて、本当は全20巻くらいでも良かったと作者の池田理代子氏が答えていたそうなので本当はこの辺りも描くつもりがあったのかもしれません。

確かに、歴史ものとしては読めますけど、私としてもオスカル・アンドレのいない展開のまま読んでも物足りなさを感じてしまうのでこれはこれで良かったのかもしれません。

これが少年マンガだったら、話を長引かせるためにアントワネットが処刑直前に首を切られる瞬間、オスカルは生きていてアラン達と救出劇を起こして国外へ逃亡とかやりかねないですし。

どこかの映画で聞いたことがあるような展開ですが、もしそんなことにでもなったらこれまでの物がぶち壊しになりかねないです。

と、色々感想を述べてみましたがベルばらは歴史ものとしてもフィクションマンガとしてとても面白く現代にまで語り継がれるわけが少しだけわかりました。

あとは、ベルばらといえば宝塚歌劇団だと思うので、1度は見てみても良いかなあと思っていますが、ハッキリ言って宝塚に関しては知識ゼロです。劇場は兵庫だけだと思っており、東京にあることを今知ったぐらいのド素人です。

一応ベルばらについて内容は分かったので、もし東京公演があるようであれば一度見に行くかもしれません。