フランスその61(パリ編PART38)【サント・シャペル建築代よりも高額な茨の冠】

Sainte Chapelle

KENです。

前回は、アンリ4世と暗殺者について説明しました。

今回は、そのままシテ島へ上陸してステンドグラスが有名なサント・シャペルへ向かいます。

※リーブルという貨幣の話が今回出てきますが大体1リーブル1000円だと思ってください。

時代によって貨幣価値が違うので、間違っているかもしれませんが何となくの相場感が分かると思います。

アイキャッチ画像は、サント・シャベルと最高裁判所

アンリ4世像からさらに先に進んで、オルフェーブル通り(Quai des Orfèvres)をセーヌ川に沿ってしばらく歩くと、パレ通りという大きな通りに出ます。

そこから建物のある北の方へ少し進むと行列が見えてくるはずなので、その行列に並びます。

 

サント・シャペル(Sainte Chapelle)

お隣の最高裁判所(Palais de Justice de Paris)の敷地内にあります。

入ると分かるのですが、あちこちグルグルさせられるのはそのせいかと後から知りました。

この日は9:00オープンだったはずですが、個人客、団体客で外に行列を作っていました。

チケット購入と入口が別になっています。

パリにある美術館がタダになるミュージアムパスが有効なので、多少時間を短縮することが出来ました。

ミュージアムパスについてはコチラをどうぞ

 

 

ちなみに、最高裁判所を挟んでお隣の処刑待合室であるコンシェルジュリー(Conciergerie)とのセット券もあるそうです。

サント・シャペルの構造

アイキャッチの写真を見ると分かりますが、作りが縦長の平面に出来ています。

ノートルダム大聖堂と違って、フライング・バットレスという外側に設置する補強材がありません。

flying buttress※赤印をつけた斜めの棒状の部分がフライングバットレス

サントシャペルは作りが単純な二階建てなので、補強する必要がなかったのだと思います。

そのせいもあってか、わずか3年でサント・シャペルは建てられました。

内部はシンプルな2階建てになっています。

1階は臣下のための礼拝堂で、2階は王の礼拝堂となっており、パリ最古の13世紀に造られたステンドグラスが壁一面を覆っています。

昨日訪れた、パンテオン・サンジェルマン・デ・プレ教会・サン・シュルピス教会は50年や100年以上かかって建てられていたので、それに比べたら超スピード建築です。

ルイ9世(Louis IX)

Statue of Louis IX

サント・シャペルを作りました。

その理由は、キリストが磔にされた時に着けていた「茨の冠」とその他の聖遺物を収めるためとされています。

聖遺物とは、聖人の骨や灰や着ていた衣類等と考えてください。

代々のビザンツ帝国皇帝により冠は継承されてきましたが、第四回十字軍によりコンスタンチノープルからビザンツ皇帝が追われ、十字軍の騎士たちによって奉られたラテン帝国皇帝が手中に収めることになりました。

ただ、ラテン帝国を建国し維持するためにヴェネチアの銀行家から多大な借金を抱えてしまったため、その借金を肩代わりするためにルイ9世が冠を買い取りました。

礼拝堂の建設費が40000リーブル(4千万円)

対して

茨の冠買い取りが130000リーブル(1億3千万)

ツッコミ担当

キリストの装備は超高価👑

ルイ9世は聖ルイとも呼ばれて、病人への触手儀礼を始めた最初の人です。

国王金貨の基準を設けて経済の安定を計ったり、司法機関や会計機関を独立させて内政の充実に尽力しました。

ルイ9世自身も十字軍に参加しました。

晩年にも十字軍遠征を計画しましたが、アフリカ遠征時にペストにかかって死んでしまいました。

アンリ4世以降のブルボン王朝の王は、このルイ9世の名前にあやかって全員ルイさんになりました。

このルイ9世の像は1階(臣下の礼拝堂)にあります。

本来なら2階(王の礼拝堂)に置くべきなのでしょうが置くところがないのでここに置かれたのだと思います。

ということで、次回は実際に2階にのぼって王の礼拝堂で優麗なステンドグラスの数々を鑑賞します。